誤解されやすいアドラー心理学の「他者の課題」





他人の気持ちを”考えてはならない”

アドラー心理学の他者貢献とは、他者の役に立つことをすることで得られると言われている。これはより厳密に言えば、自分が他者の役に立つことを”している”と自覚できるかどうかという話であると思われる。

つまり自身の認知次第ということであるのだが、この”他者貢献”に対する解釈は多分誤解というか、様々な解釈が行われているものではないかと思われる。その中で

「相手の気持ちを推し量ることが他者の役に立つことを考えることである」

という解釈をしている人もいるのではないだろうか。

しかしアドラー心理学では、他者の課題と自身の課題を切り分けて考えるべきだと言っている。それを踏まえると、「他者にとって役に立つこととは何か」ということについて考えることは果たしてアドラー心理学的に正しいのか。本当に他者の欲しいものが何であるかを考えることは、果たして自分の課題なのだろうか。

それが実は他者の課題であるとすれば、それは誤りなのではないか。

それが仮に誤りだった場合、ではアドラー心理学における他者貢献を、厳密に他者の課題に踏み込まずに考えるというのは一体どういうことなのか。

人は人のことを理解できない

他者の課題云々以前に、まず人は、他者の頭の中を覗けない。

覗けない以上いくら考えてもそれがわかることは永遠にない。例え他者が自分のしたことについて感謝の意を伝えてくれたとしても、それがお世辞なのか本意なのか、単なる茶化しなのか、その確かな形を本質的に判別することはできない。それはいくらそれが相手の表情や身振り手ぶり、原動、行動から現れているかのように”見えたとしても”、それは自分にとってそう”見えているだけ”の話でしかなく、確証がないことは変わらない。

では人は他者の頭の中を想像することなど初めからできないのだから、他者にとって役に立つことを考えること自体不可能な話なのではないかという疑問が湧いてくる。

これが実際にそうなのかについては私は厳密的には「そうである」という答えを出している。人の考えていることは永久に理解できはしないという結論に至っているために、あらゆる自身の他人のための行動は自己満足の域を出ないと考えている。

ではそのような決定的な”こえられない壁”がある中で、他者貢献をどのように実現するのか。相手のことを理解できない人間という存在が、そのような矛盾したことを達成できるのか。

ここで最初に話した、他者貢献とは自分が他者の役に立つことを”している”ことを、自信が自覚できるかどうかというところがポイントであるということに立ち返って考えてみる。

つまり、それを他者貢献をしていることを自覚するための定義を人間個人ができる最大範囲で、どうすればできるのかを考えればいいわけだ。

そこで私は

「自分の思う、自分がもし他人の立場だったらうれしいと思う事、してほしいと思う事」

を、することであると提唱する。

「自分」がどう感じるのか、考えるのか。共感だけで判断する

悪魔で私の解釈ですが、他者の気持ちや考えていることについては、アドラー心理学的にいえば「本当に完全に気にしてはいけない」。

考えるべきなのは、「自分が何についてどう思っているのか」ということであり、自分にとって人の役に立つと思う事や、自分にとってされるといやなことだけを考えて行動することなのである。

なんでもやりたい放題やればいいという話でないということも、それは自分が「それはひどいことだ」とか、「するべきでないことだ」と純粋に思う事であればそれはしなければいいという話である。

となるとアドラー心理学を実践していく上で、より”効果的”に他者に貢献する感覚を研ぎ澄ます方法があるのだとすれば、それは他者に共感するメソッドを様々に学習するであると思われる

人と接する中で何かに共感することを見出したのなら、それを担保に正しいか間違いかを判断すればよいという事なのである。そしてその共感のメソッドの開発は、様々な他者や状況と接することで開発されていくのである。

故に、他者の気持ちを考えるのも厳密には自分の仕事ではない。自分が相手の立場にたったらどう思うか、あるいは思っているのかを考えること、他者の気持ちを考えるのではなく、自分の気持ちを考えるのが自分の仕事である。

そうして時々発生するであろう誤解やすれ違いなどによって「嫌われる」ことに対する勇気をもつこと、承認欲求を捨てろと、アドラー心理学では言っているのである。

多分こういう感覚を実践することは、今まで他人の気持ちを想像しながらそれに順応するかのように生きてきた人からすると、不安を伴うのではないかとも思う。相手の気持ちを全く考えないということは、今まで自分が信じてきた正しいことをしているという担保や後ろ盾を失うような話だからである。

しかし人は他者の心、頭の中を覗けない以上どんなにそれを考えてもそれが”保証”されることはない。であれば確実に自らが保証している自分が嫌だと思うことをしないとか、されてうれしいことをするの方がずっと信頼ができるのではないか

仮にアドラー心理学のそれにのっとって今後生きるということは、この違和感を最初は感じつつもそれを徐々に受け容れていき、それが自身の通常の状態として馴れさせる必要があることのように思われる。

それはつまり、過去の自分、他者の課題に踏み込んでいたころの自分の感覚を今後一切捨てることを意味する。しかし人間は習慣的な生き物であるためなかなかそれを捨てるのには時間がかかる。だからアドラー心理学では、それを実際にみにつけるのに時間がかかると言われているのだろう。

身勝手な行動の本質

しかしこう書くと、身勝手な人間は身勝手なままではないのか、それは正しいことなのか、などの疑問がわいてきそうである。

が、それも結局は他者の課題であり、問題は自分がそんな人と接したときにどんな行動をするかを考えるだけである。

しかしここではあえて、自分が身勝手な行動をしないようにするにはどうすればいいか、他者にどう思われるかではなくて、自分が純粋にそれをしたくないからそれをしない、ということをするにはどうすればいいのか、について、その方法や考え方について考えてみる。

身勝手な行動の定義

さて、身勝手な行動、自己中な考えをここではどう定義しようか。他者の課題と、自身の課題を踏まえて考えてみると、それは自分がされたら嫌であると思うことを知りながらも、それを相手に故意に強いることであり、つまりは意識的に自分が認識している悪事をあえて行うことである。

これは、ある自分が行った振る舞いが、実際に行動した後になってある他者にとっては不利益であったとか、無自覚に他者にとって不快なことをしてしまったなどの事実を指摘するものではない。

むしろ、それを自己中とか身勝手であると他者が言うのなら、それはむしろ他者が勝手にあちらの課題を無視してこちらの課題に足を踏み込んでいるのであり、むしろそういった自分の都合に相手は常に合わせるべきであると考えているあちらに問題があるように思える。

このようにある誰かの行動が誰かにとって不利益をもたらしたというのなら、その不利益が何をもって不利益であるかとは別に、それを当人がやめてほしいと思うのならその時点で不快だったという意思表示をすべきなのである。それが当人の課題なのだから。

それで相手が応じないのなら付き合い方を改めるとか、付き合うこと自体をやめるという選択をすればいい。

他者の課題と自分の課題の領域で問題になりやすいのは、こうした互いのコミュニケーション不足による、なんの意思疎通も行わないままただ不満だけが蓄積していくような未解決の問題がどんどんたまっていくことにある。意思疎通しようとせず、しかしただ相手にこうあるべきだとか、しないべきだという理想像を押し付け、かつ頭の中で不満をいだいているだけで何も行動しない。

そしてそうしてしまうことの本質が、嫌われることを恐れる心理から来ているのである。嫌われたくないとか、他者の注目を浴びたくないという、承認欲求を求めるからゆえに、それを避けようとするのである。そしてそれこそが真の身勝手であり自己中な行動なのである。

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