アートなコメディRPG! 傑作 Disco Elysium レビュー





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本サイトご利用の前に、ぜひこちらの記事をご一読ください。このサイトの趣旨などについてご紹介いたします。

2022/04~現在、再度全体的に記事の見直しを行っています。修正したものから順次最新更新日で更新していきますのでお楽しみに(?)

 

ある日目覚めると、自分はホテルの一室にいた。そしてそれ以外何も覚えていない。ていうか全裸じゃん。ナニコレ…うわーメタボ腹だぁ

今は何年で自分は何者で…名前は?出身は?年齢は?家は?仕事は?

なんもわからん…一体どういうことだ?二日酔いの余韻でフラフラと部屋の外に出るとありゃまそこにはどえりゃーべっぴんさんがおるでないが!早速声をかけて…えぇと…あれ、何をするんだっけ?

なんて感じで唐突に始まるRPG、Disco Elysium

RPGといえばほぼお決まりといえる「戦闘」が存在せず、ほとんどのプレイ時間はテキストとにらめっこ。しかしただのビジュアルノベルと思うなかれ!多くのインタラクティブな要素、探索要素、選択要素、昔ながらのRPGのコアはしっかりと、しかし一段と濃く備えている。

ビジュアルノベルとRPGの融合、これまでになかったら前衛的で斬新なオールドスクールなのに新しいRPGの傑作をご照覧あれい!

プレイを通してビルドされていく主人公の面白さ

普通RPGって大抵は主人公に名前、性別、人間関係、価値観といった自身のアインデンティティをもっているものですよね。

でもこのゲームって開始時点では主人公が何者なのかがさっぱりわからないところから始まるんですよね。本当に何もわからない。ゲームが始まると真っ暗な画面とBiginのボタンが右のダイアログボックスに表示されているだけ、それを押してみるとAncient Reptilian BrainとLimbic Systemとかいうよくわからんやつが話しかけてくる。話を聞いているとどうやらこれは主人公の意識の中でささやいている何かなんじゃないか、ということがわかってくるんですが、まずそんな風に主人公の意識や感覚が独特な表現で描写されていくんですよね。

やがて外の騒音が聞こえてきたかと思うと、そんな世界から目覚めた主人公の体とその周りの物質的な視覚情報たちとご対面。あぁあれは夢か何かだったんかなと思いながら朦朧と立ち上がる主人公を眺めているわけですが…随分散らかった部屋だなぁ。

メタボ腹のパンツ一丁のおっさん。正直最初はちょっと引いてしまいましたよ。このおっさんが主人公なの?このおっさんで遊ぶの?って。明らかに機敏な動きもしそうにない感じで、っスタイリッシュな戦闘なんて全く出来なさそうな風貌です(そもそも戦闘ないけど)。左下の不鮮明な主人公のポートレイト、荒れ果てた部屋、窓ガラスは割れてるし…

うーん、わからん…。主人公がブリーフ一丁で部屋を見渡していることくらいしかわからん。ゲームが始まってもほとんどわかりません。ひょっとしてポータルか何かみたいなゲームなのか?なんて最初は思いましたね。

ここから主人公を動かせるようになるので、周りのオブジェクトをクリックしたりしながら周辺情報を集めていきます。オブジェクトをインタラクトするとここで起きたことを思い出したり考察したりするので、それによって少しづつ理解していきます。やがてバスルームの鏡の前に立つと、そこでようやく主人公が自身の過去の記憶を完全に失っていることがわかります

昨日のことすらおぼえていない。でも生活ができるくらいの日常的な記憶はあるようで、言葉によって思考することはできているし会話や文字なども読める。ただこの世界のこと、この世界における自分のことが完全に欠落している状態。つまりプレイヤーとほぼ同じ状態なわけです。

プレイヤーもこのゲームのこと、どんな世界なのかよくわかっていない。そんなプレイヤーと目線がリンクした主人公をゲームを通して、もともとは白紙ではなかった主人公のパーソナリティ、つまり、過去を思い出していくことでビルドしていく側面を持ったゲームでもあります。

設定したステータスによって(正確にはスキルのレベルによって)インタラクトできるものや発生するイベントが変わったり、後述する思いつける「思考」が変わってきます。それによって様々なパターンの主人公を遊ぶことができます。プレイヤーの数だけ主人公のパーソナリティに対する解釈が過去の文脈から変わる、ちょっと変わった要素を持つゲームです。

「思考」キャビネット機能

主人公はある会話やイベントなど、あることがきっかけである「思考」を思いつきます。

これはThouhgt Cabinetというものに「問題/解決策」という形で保存されていきます。プレイヤーはそれをスロットにセットし、会話やイベントをこなしていくと自動で進捗が上がっていき、100%になるとその思い付きを”解決”することができます。それによって特定のステータスがバフされたりデバフされたり、特殊効果が追加されるものもあります。

これはその一例で思考の一つ、ホモセクシャル・アンダーグラウンド。ある会話がきっかけで「俺って前はホモセクシャルだったんじゃね?」と思いたち、約8時間(!)の思考のすえもうホモだのバイだのストレートだのどうでもよくね?性的趣向がどうという執着から自らを解放すべきじゃあないか?自分の物だけじゃなく、他人のものも!と思い立つことになりました。早速彼は相棒のキムに「俺はもう他人や自分の性的趣向にとやかく言うことはやめたんだよ!」と意気揚々と伝えにいくのであったが果たして…いやまてよ…これ事件の捜査と関係ある?ていうかなんだ、「ボーナス:他人の性的趣向に執着するのをやめる」って。なんとこれがこのスキルのバフらしい。これ何の役に立つんだ?

───

ものによっては自身の過去があきらかになったり、ある価値観や思想に目覚めたりします。でも中には事件の捜査に全然関係がなかったり、死ぬほどどうでもいいものだったり、頭おかしいやろと思うものであったり、でもそれがとてもバカバカしくて笑える、そんな面白機能にもなっています。その内容は実にバラエティに富んでいてプレイヤーを飽きさせないもので目白押しです。

イカれた主人公を通して、違和感なくロールプレイできる

主人公は二日酔いで全ての記憶を失ってしまうという前代未聞の災難に合ってしまった人なんですがゲームを進めていく中でわかる彼の言動、感性、捜査の過程で明らかになる記憶喪失前の“奇行”の数々やゲーム開始時から付き合う、24個のスキルたち+αの“脳内会議”

それをプレイヤーは体験していく中で、きっとこう思うんじゃないかと思います。

この人壊れとるわ」と。

どう壊れているかはあえてここでは書かないとして、なんというかリアルに生々しくそれでいて狂っていて、とにかくどこか壊れてるんですよね。退廃的かつ破滅的でいろいろと危うい主人公なんですけど、不思議なことにロールプレイに支障をきたすことなく、主人公になり切って遊ぶことができるんですよね。

ごく普通に考えればプレイヤーと違いすぎる主人公というのは、大抵プレイヤーを置いてきぼりにしてしまうことになりけない。それが原因で没入感をそぐことになってしまい、RPGとして遊ぶことが難しくなってしまっているもったいないRPGは少なくない。

でもそれはある二つの要素がちゃんと補ってくれ、さらにそこがこのゲームの面白いところでもあります。

1つ目は前述した主人公がプレイヤーと同じくゲーム開始時、何も知らないという点。立ち位置がプレイヤーと同じで、「迷子」の状態でプレイすることになる。それをベースにしてストーリーにかかわっていくことができるから、主人公とプレイヤーとの間で認識の齟齬が発生しづらい作りになっている点。置いてきぼりを食らってボカンとすることはほぼないし、在ったとしてもそれは主人公もポカンとしていることなので、まさに一心同体のような形で遊ぶことが出来る点です。

そして2つ目が前述した、そんなキ〇ガイ主人公の頭の中で語りかけてくる超個性的な24のスキルたちです。

主人公と会話をするスキルたち

スキルたちは、主人公に対して様々なタイミング語りかけてきます。人と話しているときはいわずもがな、ゴミをあさっていたり何かを持ち上げたりぶん投げたりしたときですらもちょいちょい主人公にちょっかいかけてきます。

“音だ。無理やりお前の目を開けさせようと要求する、地獄からの呼び声だ…”(意訳)と、眠りから目覚める寸前に聞こえてきた音が何だったのかを(聞いてもいないのに)教えてくれるEncyclopedia(百科事典)スキルくん。

会話ダイアログの諸所でお前はこう言う奴だった、お前はこれが好きだった、お前ならこんなことしないよな、いやいやまてこうしたほうがいいぞ、これはこういう意味だぞ、彼は嘘をついてますよマイリージ!、など、まるで自分を良く知るかつての旧友や家臣のように、主人公の思考や考え方を肯定したり否定したり、同調したり冗談をいったり、助言してくれたり、様々なアクションをとってきます。

そのようにして、人との会話など主人公の身の回りだけでは補完しきれないこのゲームの世界の”文脈”を彼らが補完し、掘り下げてくれるわけです。(特にロア的な部分はEncyclopedia(百科事典)がこれでもかというくらいに。)クエストデザイン的なところにもこの要素は強く関わっていて、ステータスによって発見できるクエストなんかもあります。いろんなところでこいつらが道を指し示したりもしてくれるので、いろんなことをためすきっかけにもなります。

もっともそれが想定外な結果を招くこともあるんですけどね。このゲームは失敗することも想定して作られているので、TIPSでも出てくるんですけど、失敗を恐れず人に話しかけてい行きましょう!なんて勇気づけてくれます。

そして結果、主人公のパーソナリティが定まっていくのと同時に、このゲームに対するプレイヤーの知識や意思ともリンクしていくわけです。主人公がいかれている理由がそれを通してわかってくる。そのおかげで違和感なくロールプレイすることができるというわけです。

面白そうでしょう?

実質的なコンパニオン

このゲームの実際的な同行者はキム・キツラギという人がいて、主人公に対して全く真逆といってもいい堅物キャラのパーソナリティの彼が務めていますが、(主人公の破天荒ぶりにあきれたり振り回されることが多い模様)主人公の頭の中にしかいないあれこれ助言や無駄口をたたく彼らスキルたちもその役割的にはキムと同じ話し相手なわけでスキルというよりも、実質的に同行者のようなものに近い感じになっています。

全24のスキルたちはほとんどが固有の意思をもった一つの人格といっても過言ではなく、固有の性格、感性をもっています。例えばIntellect系は基本的に学者気質で理屈っぽく、Physique系は粗暴だったり脅迫的だったりやんちゃな気質で絡んできますね。half light君はいちいち怖い…

初期ステータスの采配=どのコンパニオンに投資する?

ゲーム開始時プレイヤーは主人公の初期設定をおこないます。そこで行うのは4つのステータスに対するポイントの割り振りです。

つまり主人公の各ステータス値の振り分けの決定は、どの脳内会議コンパニオンに投資するのか、という事を意味しているわけです。脳内ルイーダの酒場ですよ

主人公のステータス値はそれがそのまま、それぞれのステータスに対応するスキルのレベルとして反映されるようになっているからですね。

多くのポイントを投資したスキルはその都度の「スキルチェック」判定において成功率が高くなります。

スキルチェックには主に2種類が存在し、プレイヤーが選択し、その後の結果が変わる成功確率による判定があるものと、パッシブな会話の最中に自動的に差し込まれる脳内会議の会話があります。

一部のスキルチェック判定(red Check)は、その結果が失敗でも成功でも先に進むようになっています。

なんだかまるで正解も間違いもない現実の人生ににてますね。

失敗しても笑えるところがこのゲームのおもしろいところでもあり、ユーモアにあふれた結果が返ってきます。

スキルチェック失敗例:記憶喪失になってから最初に出会ったいかしたちゃんねーに放ったひとことがこちら。”I want to have fuck with you(君とファックしたい)”。”I want to have sex with you(あなたとセックスしたい)”というのが自然の表現なので、かなりおかしな言い回し。とんだやらかしディスコ野郎この野郎。

また一度失敗したとしても、一部のチェックは対応するスキルのレベルを上げたり、特定の会話やアクション、情報や思想などを入手ことで判定要件が上昇させることで再チャレンジも可能。

また、むしろ失敗した方が結果的に事がよい方に運ぶこともあり、失敗=ダメなこと、という一種の偏見を打ち破るような仕組みが備わっています。

面白そうでしょう?(サブリミナル刷り込み

主人公の性格を表現したスキルたち

Disco Elysiumのスキルの性格はこの主人公の性格や個性を反映したオーダーメイドのようなもののように作られています。

例えばVolition。直訳すれば「意志」の意味をもつスキル。一般的に考えるなら、何があっても自分の意志を曲げないとか、意志の力で食い下がり説得しようと主人公に語り掛けるようなスキルとか、そのような力強いイメージをするんじゃないかと思います。

しかし実際的にこのVolitionが行う事の多くは、「やんちゃなことはしたくても絶対手を出さないよう、お行儀よくする」なんですよね。たとえば主人公が(目覚めてから)初めて酒を飲もうとしたとき、Volutionは「ダメだ、そんなことしちゃいけない」とモラル的な規範のある人間であれというようなことを主人公にいってくる。主人公の個人的な悪癖を抑制し、モラルのあるいい人間になろうとするための意思としてふるまうんです。多分主人公にとってこれが意志ある行動ということなのでしょう。(ちなみに彼はパーティボーイなパーソナリティのElectro-Chemistryスキルとは仲が悪いようで、度々意見が合わずに口論になってます。)

タバコを吸うか吸わないか。Electro-ChemistryとVolitionはよくもめる。この冠頭野郎!

他にもEsprit de corps(士気)は、主人公自身が所属する警察組織の各員を想像したりしてその中の一体感を感じて思考する、みたいな感じになっていて、随分変わった内容です。

そもそもスキル名からしてどんなスキルなのかピンとこないものもあって、例えばInland Empireなど。(元ネタは映画Inland Empireから取られたとされ、そのスキル内容の”モデル”はその映画の制作者、David Lynchが制作したTwin Peaksの主人公で捜査官のDale Cooperではないかといわれていますね。)

Visual Calculus(マミコンの定理)は、そのままの意味では数学の定理の意味でも、実際のスキル内容は現場検証能力。

どういうことなの…

\ポ/ CONCEPTUALIZATION[Godly:Failure]これも主人公の”DISCO”的なセンスなのか。彼の頭の世界を描いたスキルなのかもしれない。

\ポ/ LOGIC[Legendary:Failure]『彼の頭の中を描く』…?ひょっとしてこれがDISCO ELYSIUM(DISCOの理想郷=主人公の理想郷?)の意味なのかも…?

\ポ/ ENCYCROPEDIA[Easy:Success]DISCO ELYSIUMとは、ZA/UMスタジオが開発したロールプレイゲームである。

LOGIC 違う、そうじゃない。

\ムググ/ REACTION SPEED[Midium:Success]まぁ次いこうや。

うっ!?一体私はなにを…どうやら脳がDisco野郎に侵食されてきたみたいだゾ…〇ロフェット隊長かな?

「俺の名はラファエル・アンブロシス・コステゥ。覚えておいてくれ」y=ー( ゚д゚)・∵. ターン

おすすめかどうか

アートなRPGのDisco Elysiumを楽しもう!

個性豊かな同行者たちとともに個性豊かな主人公で遊ぶ、一風変わったロールプレイを満喫するRPG。それがDisco Elysium!

脳内スキルたちと堅物な相棒の(そしてこの世界の良心の)キムキツラギと共に、格差社会の吹き溜まりともいえる町を舞台に、悲しい時もあれば笑えると気もある、ユーモアと厳しい現実の世界で生きている一人の(いかれた)刑事として、事件と自分の謎を解き明かそう!

RPG好きならおすすめ。特にストーリー重視で、かつストーリーに影響を与えながら楽しむことに重点を置くのであればなおさらハマルこと間違いナシ!

言語の難しさ

ネックなのはやはり言語の壁があること…。多くの方が言われていますが、小説的な表現や比喩的なものが多く、楽しむためには言葉の表現の本質への理解をすることで楽しもうとする意志も英語スキルが低い私の場合は特に必要でした。根気が大事。

プレイしたてのころは辞書はもちろん、専門的な言葉などについてはwikipediaで調べたり、(例えばinternal affairやInterdisciplinary、Dexter and Sinisterなど…そのwiki内容も英語でかかれたものしかない)とにかく辞書にのっている意味だけではピンとこない、単純なイディオムだけでなく、政治的イデオロギーなどの日常会話では到底使わない単語、知識などが多くでてきます。

そんな言葉たちの意味を調べてできるかぎり正確に理解するまでの労力と時間がプレイ時間の大半を占めていました。特に政治や法律、国の機関に関する概念や仕組みの言葉は日本のそれとはそのまま当てはまらなかったり、同じように見えるものも(例えば警察などの機関)も成り立ちの歴史からその構造まで違うので、日本のあらゆるそれとは違うバックボーンをもとに作られたこのゲームを遊ぶにあたっては、より根本的に知らないと一体何のことをいっているのかわからないことが多かったです。

英語の勉強にはうってつけ

言葉を学ぶことはその国の歴史を学ぶことに等しいと誰かがいっていましたが、本当にその通りでした。そういう意味では英語という言葉は多くの国で使われているという意味では本当に便利な言語だと思います。多分いろんな文化がある程度のレベルで言葉を通じて共有されていることもあるんじゃないかなぁなんて思いましたね。西洋、というかヨーロッパって英語だけではなくていろんなほかの国の言語もお互いに影響を受けたり与えたりもしているようで、割と近しいみたいなんですよね。「外国に旅行に行くのにそこの国の言語の勉強をするのは当たり前でしょ?」と西洋系のある人が言っていたのを思い出しましたが、多分同じ言語グループないしは近しい成り立ちの言語なので比較的覚えるのが楽だからできる、ということもあるのかなぁともおもいました。実際、ほとんど交流もゆかりもなかったであろう日本語は難しすぎるって西洋系の人が言うのはよく聞く話ですし。

ちょっと話がそれちゃいましたね。ちなみに私のプレイ時間は全体で170時間ほど、かなり勉強にはなるのですが…やはり大変です。内上記の調査時間が半分以上は占めていると思います。非ゲーム時もDisco Elysiumの海外wikiを読みあさりながら調査の続きをやっていたので、それも含めればもっとあったかもしれません。

ただ文体自体はきれいで読みやすかったですし、英語に詳しくない私でも美しさすら感じます。(個人的主観ですがThe Witcher : the Last wishに比べたら全然読みやすかったです)。一部のキャラクターは崩れた言葉でしたが、(CUNO: THE FUCK DO YOU KNOW ABOUT CUNO’S LIFE?)某西洋RPGのドワーフみたいな訛りがきつくて何言ってるさっぱりわからないみたいなものはなかったです。 ただしDrama、あんたはマジでわかんなかった。シェイクスピアよめってことですか?

フランス語をはじめとしたほかの言語の言葉もちらちらと出てきますが、ごく一部なので少し調べればいいだけなのでそれほど問題にはなりませんでした。(ギリシャ語やスラブ語?はそもそもキーボードで打ち込めなかったのでわからなかったですが、1、2か所程度なので本当にごく一部です。むしろ英語の文章表現の方がよっぽど難しい…

感覚としては、Torment: Tides of Numeneraを楽しめるくらい英語が使えるのなら苦になることはないかなと思います。まぁ私は途中で投げちゃったんですけどね…でもあれを最後まで遊べたんなら大丈夫でしょうきっと。

難しいだけに英語の勉強用のゲームとしてもうってつけ。死ぬほど難しかったけど内容が面白すぎて勉強が辞められないという素晴らしい好循環が起きればいける!

ちゃんと読んで遊び終えて、「面白かった」と満足したころには、英語の文体や表現にもより慣れてきたと実感するんじゃないかと思います。実際、これ遊んでからというもの、ニュースサイトとかスラスラ読めるようになってたんですよ。海外ドラマも字幕なくても大体わかるようになりましたし。いやーびっくりです。まぁそりゃ170時間も英語で遊んでんだもんね。他の時間も合わせればもっといっているでしょうから、そりゃ多少なりとも効果はあったのでしょう。

何より、外来語での独特の表現を学ぶのはとても興味深い経験だと思います。

後述のユーモア溢れるメニーメニーファッキンファニーなゲームでもありますので、イングリッシュをジョイしてラーニングしたいヒューマンカインドにもレコマンドです。(ルー

主人公に共感するかしないか

主人公が人生で壁にぶち当たって自己破壊的になっている退廃的でいかれたおっさんというところで、ひょっとしたら人を選ぶのではないか、という気もします。

もちろん前述のとおり主人公はプレイヤーと同じ前提知識で世界を見るのでそれほど心配はないとは思いますが共感して遊ぶという点においてはズレがあるかも。社会人以上の人なら共感はしやすいんじゃないかとは思います。

ファッキンファニーなユーモアのセンス

本ゲームを楽しむ大きな要素の一つとして主人公の”ディスコムーブ”に始まり、シーンの多くに多彩なファッキンファニーユーモア表現が含まれていることも大きな魅力の一つなんですが、全体的にブラックユーモア、クリンジコメディチック(気まずい雰囲気を自虐的に皮肉るユーモア)なあまり日本でなじみのないタイプのユーモアになっています。

海外ドラマで例えるなら、The Office、Misfits, The Inbetweeners、Peep Showなどが近いです。なんというか、クソ真面目にクソバカになるみたいな感じというか。本人は大真面目にやってるんですけどすべてが空回りでただ猛烈にみじめでただただ滑り散らしてやらかしてしまうというか、そんな失態や醜態をユーモアに自虐る感じの笑いなんです。

全てが「go up in flame」というか、どうしてこんなことに…ってくちゃくちゃになって笑えてくるんです。ストーリーや世界観も相まってそんな感じのセンスですね。

その一方で主人公脳内のAncient Reptilian Brainの語りは「お前に友達なんていたのか?」「お前は何もせず、てめぇのくせぇナニと酒瓶をただ両手ににぎって見てただけだろ」みたいな、場合によってはえぐるようにプレイヤーにダイレクトに突き刺さることを語り掛けてくるので、そういった点でもツボるかどうかという点でも、このゲームを楽しく遊べるかどうかという点ではわかれるかもしれませんね。

しかしツボががっちり合えば終始ニヤニヤしながら、時には爆笑しながら遊べるくらいにはユーモアだらけなのでとても面白いゲームです。むしろバカゲーの域かも。

くだらなすぎて笑ってしまう会話のやり取り

アイワントゥーハブファックウィズユーなんてかわいいもの、序の口ですよ。ある尋問中にその相手から何かビーズっぽい音がするからって、「お前ア〇ルビーズ入れてる?」なんて聞きはじめたりします。思わずお茶を吹きそうになりましたよ。何を考えとんねんみたいな。まぁそのダイアログを選んだのはプレイヤーの私ですけど…

“「もし彼がアルビーズをつけていたとしても、何の音も聞こえないだろう」”

そんな主人公の言動に時に痛烈に時に皮肉的に時に的確に、時に当たり前すぎる指摘をめちゃくちゃ冷静に真顔で差し込んでくる相棒のキム。このアンバランスさに笑ってしまうのですよね。

ていうかア〇ルビーズの音って何?音する?って思わず突っ込んじゃいましたよ。ア〇ルビーズだけに。

\ポ/ RHETORIC [Easy:Failure]うまくねぇんだよ。せめて韻くらい踏め。

\ギャン!/ VOLITION[Trivia:Success] 汚らわしい…

\ポーン/ ELECTRO-CHEMISTRY [Easy:Success] ア〇ルビーズ!?何をもたもたしてるんださっさと装着しろ!イエース!レッツゲッティングイッインッッ!!レッツパーティー!!イエー!!!

アァッアタマガァ!!

“「彼のユーモアを許してほしい。殺人事件の捜査で私たち二人も手を焼いていてね、今の質問には全く答える必要はないから。- 今のところは」”

と冗談(?)も交えながらフォローするキムキツラギ。

とそこにRHETORICが彼の言ったことについて

“「彼の言っている「私たち二人も手を焼いている」ってのは、お前(主人公)は殺人事件の捜査で手を焼いているが、彼はお前に手を焼いているって意味だ。」”

と(余計な)補足してきます。

“「えぇ、もちろんそうでしょうよ」と彼はキムに返すと、ぎこちなく口元を歪ませた。もはや彼がクソデカア〇ルビーズをケツに突っ込んでいることは疑いようがない。”

なんていうくだらないやり取りが行われていちいち笑ってしまうのです。こんな会話が随所に出てくるので、大体いつもニヤニヤしながら、時に噴出しながら遊ぶことになります。

おバカなこと言って周りからポカンされたりバカにされたり哀れに思われて同情すらされたり、事件と関係ないことばっか首を突っ込んでキムからもため息をつかれたりなんてしながら、そんなイカレた主人公とスーパー堅物相棒の凸凹コンビが繰り広げるシュールで愉快な”捜査活劇”なやり取りも、なんとも滑稽で最高にバカバカしくて面白いわけです。ユートゥーアーキュートカッポウ、ユーノーダー?

ただ、そんな中にもやはりその世界観と主人公の境遇的にセンチメンタルなシーンもあって、人の思いやりであったりとか、こんなくそったれな世界でもヒューマニズムを感じられる描写があったりと、感情の浮き沈みが激しいジェットコースターみたいなゲームでもあります。ついさっきまで大笑いしていたのに、その次の瞬間には気持ちが沈んだり、温かくなったりするシーンになったり、そんな感じで本当にいろんな感情が引き出されてくる、そんなゲームですね。

日本では文学作品としての側面の評価が強調されているこのゲームですが、個人的には「史上最高のブラックコメディRPGゲーム」としてノミネートしたいゲームです。「マッドサイエンティストならぬマッドスクーラーな方たちがたっぷりふざけて作った、そんなゲーム」なんじゃないかとも思ってます。

“おいキム、お前どっちのジャケット着る?”

↓参考:似たコメディセンスのスケッチコメディ、ドラマ作品、The Inbetweeners、Misfits のクリンジコメディシーン。ちなみにNetflixで二つとも日本語で見れますよ(謎の宣伝

THE FINAL CUTが2021/03/30にリリース!

03/30にはバージョンアップ版であるThe Final Cutがリリースされ、なんと100万語あまりあるテキストを全てフルボイス化、追加クエストありなど、よりパワーアップして帰ってくるようです。

作中腹を抱えて笑ったシーンがいくつもあったので、ぜひそれをボイス付きで聞いてみたいと思っていたのですが、本当に楽しみですね。個人的にゲームで遊んでて爆笑するとは夢にも思っていませんでしたから、これは本当に驚きました。各スキルの声はどんな感じになるのでしょうね。

PS:特に、”Mr. Evrart is helping me find my gun”は暫く笑いがとまらかったです。

PPS: ナレーションは脳内会議の各スキルも含めて同じ人でしたね。最初はちょっと残念に感じましたが、100万ワードフルボイス化というキ〇ガイみたいな沙汰ですから致し方なし、いや、多分はこれはこれでいいかなという気がしてます。一部声優さんが変わったのは賛否両論的なところもあるかも。個人的にはGarteのめちゃくちゃ嫌味っぽい皮肉じみた声とか、CUNOの最高にハイでエネルギッシュな狂気溢れる怪演はかなり好きだったんでそこは少し寂しいと感じました。まぁでもそこは遊んでいるうちになれましたが。

やっぱりナレーションが声付きだと違いますね!いろいろ脳内会議で主人公に突っ込みを入れてくる調子でしゃべってくれるので以前よりもユーモア感が増して、没入感も上がった感覚です。

そんなわけでより面白くなって余計にバカバカしさも増量されました。興味を持たれたら是非遊んでみることをお勧めしますよ!

“What kind of cop are you?”

I would say…

DISCO INFERNO!!!

おまけ:My name is Raphaël Ambrosius Costeau

もちろんキムには「あぁ、なるほど…」と余裕でスルーされましたとさ。めでたしめでたし

公式日本語化が決定しただと…?

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マジで?

すげぇな…これを日本語化するの…?私の稚拙な翻訳スキルではどう日本語に訳したらいいのかすらわからん表現だらけだったんですよね。英語ではわかるんですが、日本語にしたらどういう単語で、文節で表現できるかを考えると、まるでうかばない、そんな表現がたくさんありました。

なんというか英語って連想ゲームみたいな解釈の仕方しません?「日本語」っていったら日本語って意味でしかないですが、「English」っていうと英語のほかにイングランド人っていう意味もあるように、単語やイディオムって具体的な意味よりもその情景や動作の抽象的なコアイメージ体であるような気がするんですよね。それが文脈によって変わってくる。なので日本語のそれよりも具体的かつ単一的な意味を持ったそれってあまりないような気がします。読み上げていくことでそのイメージが明確化していくような構成になっているというか、そんないかようにも解釈ができる柔軟性がある部分があって、それを如何に日本語に翻訳するのか、というのがおそらく翻訳者の腕の見せ所なんじゃないか、なんて勝手に思っているのですが、このゲームってそんな英語の柔軟性を最大限利用して表現しているような気がするのですよ。これを翻訳するのだとしたら、それはもうある種の文学、というか政治学や民俗学などの文化的背景に精通していることが必要な気がしてるんですよね。翻訳って奥が深いですよねぇ。

例えば本編でFrittte(sic)ってお店の名前があるんですけど、日本語で表現するとしたらどういう言葉になるんだろう…?Frittte(要訂正)?いやでも訂正ではなくてこれはつづりが間違ってますよという注釈の意味なんだけどそれを単純に日本語にしたところで「だから何?」でしかないわけで。だって日本に”(sic)”という言葉がさす文化というか文脈がないですもの。それを日本語化するとってなると…そもそもゲーム内の世界でのコピーライト的都合によってこの名前だからえぇと、

あぁ…?あったわ「原文ママ」ねなるほど!!ハハっなんだ日本にもあるじゃん。ていうかこれ「ママ」っていうんだって。wikiにもあるわ。私が不勉強なだけだった…お母さん…?

まてよ、Dexter and Sinisterとかどうなるんだろ…?どう表現するんだ?ふーむ

アァッたまらん!楽しみなってきましたね!ほんとに。こんなに楽しみな”答え合わせ”なんて生涯で一度もなかったですね。

本当に面白いゲームでしたので、発売されたらぜひ買って楽しんでください!



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自己紹介

Name : Elepan

元うつ病患者 (闘病歴10年)

約10年間うつ病でしたが、多くの自分の歪んだ思い込みに気づきそれを捨てることで独学で立ち直りました。その「気づき」の記事を本ブログにて日々更新中です。
一人でも誰かの役に立つ情報になりますように… その他にも遊んだゲームの情報、世の中のことで疑問に思うことなどなどについて考えたことを色々まとめています。

 

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