西野カナさん(以下、敬称略)と言えば女子高生などの十代の女性達を中心に多くの支持を集めている歌手で有名ですがそれにかかわらず、彼女の曲がいろんな人達にとって話題性の高いものであることは態々説明するまでもないくらいに有名です。
少し前に堂本光一さん(以下、敬称略)が曲「トリセツ」について、「クッソめんどくさい曲」と皮肉ってまた大きく話題になっていましたけど、今時音楽でこれだけ長く大きく話題を集められるのははっきりいってすごい。2010年くらいから話題になり始め、今もなおこうして多くの人の話題になっている歌手というのは日本人では彼女くらいなんじゃないでしょうか?
その話題性もそうですが、そういう音楽を作り続け提供し続けている西野カナ本人の人間性について、私は一般的な人とはかなり違うものをもっているのではと考えるようになりました。
目次
批判を気にしていない姿勢
音楽や絵、書き物、表現を職業とする人にとって避けては通れないもの。それは批評です。別の記事でも書いているのですが、人間がある表現を解釈するとき、それはその人がその表現をどのように解釈をしたいかという都合だったり目的だったり宗教的な背景など様々な要因によって変わってくるものです。
彼女の曲に対する反応は「いい曲」「共感する」というものであったり、「こんなめんどくさい女いやだ」「聞くのも恥ずかしい曲」だったりと本当に様々。ネットで見る限りではポジティブな意見とネガティブな意見に割れていて、ざっくり見る限りでは女性VS男性という構図で真っ二つに分かれています。
ここで「表現者の目的」という点に注目して西野カナを見てみると、おそらく西野カナ本人はその曲によって自身の価値を確かめるような「承認欲求」を満たすことを目的として曲を提供している人ではないように思います。
もちろん、彼女はこれを生業としている以上、そんな他人の言うことを気にしてたら食っていけないという現実はあるとは思いますが、それでも人であることには変わりないはずで、嫌なことを続けていくのはかなり難しいことのはずです。
にも関わらず何年も継続していけるのは批判なぞ眼中になく、「人々が求めるものを提供すること」を目的として活動しているからであるように見えます。
方向性を変えることなく、ずっと同じテーマの曲を作り続けている
彼女は一貫として同じスタイルの若い女性が共感するような曲を作り続けています。その反面で主に男性にとっては煙たいような「こんな女がいたらめんどくさい」と感じる曲が多く、実際様々な批判がよく挙げられています。
そんな同じテーマの曲を書きつづけるという事は、また同じく男性陣からの批判がくるであろうことについても予想、または認識しているという前提で続けているということであり、もし彼女が批判を恐れていたらそれは中々できることではありません。
それも、普通では考えられないくらいの人から多くの人の批判をあびることになるのでしょうからその重圧は想像もつかないような相当なものになってしまう可能性もあります。にもかかわらず彼女はこれを続けているのですから、前述にもあげましたが彼女の目的はこういう部分にはないように思います。
話題性の高い曲を提供し続けている
ポジティブ、ネガティブに関わらず、多くの人の関心毎になるようなものを提供し続けています。例えそれがネガティブな反応であっても、それはそういうネガティブな意見を言いたくなるようなものを提供したということになり、そういう意味では何かを多くの人達に提供することができたということになります。
話題性の高い事柄というのは多くの人にとって「共感」できる何かをもっているということになります。共感とは単にその人の考え方や意思にそのまま共感するということ意外に、前述に上げた堂本光一の「クッソめんどくさい」という感想ですら、彼女の曲の内容を受けてめんどくさいと感じた部分で共感を呼び起こしたということであり、広い意味で彼女の曲は男女問わず共感を呼び起こすことのできるものであると言えます。普通なんの共感も呼び起こさないものは無関心として現れるはずで、気にもされないはずです。よく好きの反対は無関心という言葉がありますがそれに似ています。
今時の価値観の多様化した現代の中でこのようなことは中々できることではないように思います。多くの人々が関心をもつ何かを提供するということ自体、かなり難しいのです。
まとめ
批判を気にすることなく、自分の表現したいことを表現し、それをずっと継続しかつ成功し続けているという点において彼女の人間性は自由思想のそれに近いんじゃないかと個人的には思っています。もちろん実際のところは、彼女自身が実際にどう思っているのかは彼女にしかわからないのですが、そんな彼女の行動などから見受けられる情報は、自分達の人生のあり方について参考にできる部分があるのではないのかと思いました。SNSにおいてひたすら他人の承認を得るために奔走したり、誰にでもいい顔をしていい人を演じるよりも、誰かに嫌われようとバカにされようと自分を通すことのできる人間性を獲得する方が私には価値があるように思います。
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