どうも@えるぱんです
原作は当時としても見慣れないタイプのゲームだったので、当時遊んだ人は、「一体何なんだこのゲーム?」とわくわくしながら遊んだ人は多いはず。
大抵のゲームには敵を倒すとか、ステージをクリアするとかゲームを遊ぶ上で“明確な目的”が存在するんですが、ゆめにっきというゲーム(原作)は特にそのような目的を与えられず(というか説明がない)、主人公が見ている奇妙な夢の世界をプレイヤーの好奇心の赴くままに散策して遊ぶことになります。
最後まで遊んでみてもはっきりとしたオチが描かれずに終わるので、様々な考察が行われているようなゲームでした。
そんな本作が3Dで新しく制作されたと聞いたので早速遊んでみたものの、ちょっと期待していたものとは違うという出来でした。
目次
アクションゲームと化したゆめにっき
せまりくる敵を倒したり、その敵から逃げたり、アイテムを収集して活路を開いたりと、とにかく「先へ進むために様々な障害をクリアする」という目的が与えられた割とありふれたアクションゲーム的要素の強いゲームになっていました。
原作に思い入れが強いほど、この作りは受け入れるのが難しいように思います。私は買った当初「あの不思議な世界を3D空間で散歩できるんだ」、という期待に満ち溢れていたのですが、アクションゲームという縛りのせいでクリアしなければ次に進めないという点が自由に散歩できる原作の魅力を損なわせているように思いました。
3D化したことで高低差が発生するので、その移動手段としてアクションにするのはいいのですが、敵を倒すことを明確な目的として持ってくるのはあまり良くなかったのではないかと。
原作にも確かに、「主人公を襲ってくる敵( “敵”と表現してしまうこと自体、ちょっと違う気もしていますが、ここでは主人公の障害になるものと捉えてください) 」はいるのですが、それはゲームの中に存在するものの一要素でしかなくて、他にも様々な存在や場所がゆめにっきという世界を構築していて、プレイヤーはそんな奇妙な夢の中の世界を散策し、ホラーとまではいかなくとも、なんだか怖いけど、でもついつい見てみたくなってしまうような何かを探して遊ぶというものだったと私は記憶しています。
公園で例えてみれば、アスレチックで遊ぶのが本作品で、公園全体を見て回って触れてみる、探検してみる、というのが原作、といえば伝わるでしょうか。確かにゆめにっきなんですが、遊び方が異なるわけです。
アクションゲームとしても微妙
LIMBOやINSIDEのように軽快に動かせるわけでもなく、全体的に動作はもっさりしているので爽快感はあまりないです。ホラー要素を全面的に強く出しているところもあって、それを狙っての事だったのかもしれないですが。
主人公のモーションは細かく作ってあって人間味があるところはいいんですが、その分予備動作が大きいのか入力に対して若干遅れを感じます。特にエフェクトの笛などが顕著だった。
テンポもあまり良くなくて、ステージに登場する各ギミックが冗長に感じるところもあったり、延々と広いフィールドを鬼ごっこをさせられるだけだったり、そもそもアクションゲームとしてもあまり良い出来ではない感じです。
外観的な雰囲気は原作とよく似ている、が…
見た目は3Dになっても、原作と比べてそれほど違和感は感じなかった用に思います。むしろよく再現されているのではないかと思う。
綺麗すぎないグラフィックで、原作の色合いなんかはよく再現されていると感じます。なので、前述のアクションゲーム要素がなくて、ただいろんな場所を歩き回るゲームだったら個人的には楽しめたかなと思います。
総評
私としてはどうしても原作の思い入れがあるので、こういうゆめにっきが遊びたかった、という理想の姿が既に出来上がってしまっています。それと乖離する要素が大きかったためにあまり楽しめず、結局途中で遊ぶのも苦痛になってしまいプレイをやめてしまいました。
もともとこの作品はリメイクではなくReimagineと銘打っているので、一種の派生作品として遊んでほしいというのが制作側の本心なのかもしれません。しかし、原作があれだけユニークなゲームだったので、私としてはそのユニークさを求めていたのですが、どうやら見当違いだったみたいでした。
別の見方をすれば原作者と製作者との間にゆめにっきというゲームに対しての解釈のズレがあったようにも見えます。あるいはゆめにっきというゲームの知名度を担保に、単にわかりやすい、たくさんの人に売れるゲームを作りたかっただけなのかもしれない。アクション化すればアクションゲームは既に一般化したジャンルですから多くの人にとってとっつきやすいゲームになるでしょう。
その辺りのことは謎ですがそれは置いといて、多分ゆめにっきを名前でしかしらないとか、横スクロールアクションゲーが好きで雰囲気がちょっと変ったゲーム(LIMBOみたいな)がしたいという人でしたら楽しめるかと思います。
原作を遊んだことがあって、かつ思い入れのある人はあまりおすすめできない出来でした。
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