宇宙というよりは点在する無人島:Starfield レビュー




面白いところ

広大な宇宙をさまよえる

主に宇宙船にのって宇宙を旅している時です。個人的にはこれが一番面白かったというか…よかったところです。ベセスダお得意のランダムイベントもここに多く実装されているようで、通りすがりの別の宇宙船から交信が入ったり、突然海賊にからまれたり、どこかの別勢力同士の戦闘に出くわして参戦したり。そして星間をふらふらしつつ時々気になった星に降り立って風景を眺めながら歩き回って鉱物を採取したり洞窟に入ったりして物資を集めたり自分だけの拠点を作ったり。宇宙版マインクラフトというか、宇宙にロマンを感じつつどこかの星に自分だけの秘密基地みたいなのを作って、また別の星にでかけてっていう一種のスローライフみたいなゲームが妙に癖になる感じでした。これは今までのベセスダゲーの中でも感じたこともない感覚でありならがも、ベセスダのいいところが調和している部分でもあったので良かったと思う点です。

ロマンがある

「宇宙探索。未知の惑星へ」もうこれだけで十分にロマンです。宇宙にロマンを感じる人ならきっと感じるんじゃないでしょうか。宇宙船に乗って巨大なエンジンをふかしながら宇宙空間をかけているだけでもこう、なんか来る感じがあります。正直説明ができなくて恐縮なのですが、ネットサーフィンならぬ宇宙サーフィンをしている感じというか、それだけでも時間を食われます。そして惑星に降り立った時の到達感というか、新天地に降り立った感動というか。そこから見える景色は宇宙にロマンをはせていた人間にとってはたまらない風景でした。衛星に降り立てば目の前にはおっきな惑星がヌーンと浮かんでいて、大気もない地表からくっきりと見えます。それはとても美しく、圧倒されます。グラフィックも美しいですし、もうほとんど現実と見分けつかなくなってきましたね。ゲームもここまで来たか、と感動しました。

後は主人公がしゃべらないところもグッド。会話が多いんですけど、やっぱり選んだ会話の音声は脳内でやった方がしっくりきますね。

主人公にほとんど色がついていないところもまたグッド。バルダーズゲート3の主人公をも凌駕するダントツに薄いほぼ白紙状態の主人公です。またnew vegasのTraitsのようなバックグラウンドを設定でき、それによって分岐も変わるようでバリエーションもあります。

何者でもないから何者にでもなれる。このあたりはオブリっぽい感じがしましたね。

面白くないところ

ゲームプレイに一貫性がなく細切れになっているところ

ベセスダのやりたいことを詰め込んでいていろいろできる分、何のゲームをやっているのかよくわからなくなります。RPGなのかクラフトなのかハクスラなのかサンドボックスなのかシューティングなのか、おそらくこれ全部なんですが、それぞれがちらばってしまっていてまとまりがなくゲームプレイに一貫性を持たせるのが難しいです。後述にもありますが大量にロード画面を刻んでくるので各コンテンツを細切れにちまちまと味わうようなゲーム体験になってしまっています。

ファストトラベル、ロードの多さにいろいろと辟易する

正直これが前述、後述の問題点も含めてすべての根本にある気がします

何をするにもファストラベルしないといけないくらいファストトラベルしまくるので、集中できずにいちいち没入感がそがれていきます。じゃぁファストトラベル使わなきゃいいじゃん、と思うかもしれません、が

徒歩で直接探索できることが少なすぎる

過去作はソルスセイムなどの別ワールドに行くことを除けば基本世界のほとんどを徒歩で到達可能だったんです。しかしこれが今作はできない。徒歩でいけるのは1つの星の1つの着陸エリア周辺だけです。ほかのエリアに行こうとしたり別の星に行こうとすればファストトラベルは必須です。

「宇宙船で移動すればファストトラベルなしでもいけるじゃん」という既プレイの人もいると思いますが、そういう問題ではないというか、それはそれでファストトラベルをさらにめんどくさくしただけの作業ゲーでただの苦行なんですよ。

まず宇宙船の離着陸には必ずカットシーン、そしてロードが入ります。そしてそうやってでたプレイヤーが自由に宇宙船を操作して移動できる宇宙空間はその星の周りだけです。システム的な話をすると、惑星、衛星にかかわらず1つの星の空間単位でセルが分かれているんですよね。宇宙はつながってないんです。

で、このセル間を移動するのがファストトラベル以外方法がないんですよ。宇宙船を動かして直接移動することはできません。

この空間で直接宇宙船を動かしてできるのは時々発生するランダムイベントのドッグファイトと宇宙線のドッキングくらいしかなく、大気圏突入もできないしその星の衛星にすらも直接飛んでいけない。後はただ惑星の周りを無意味に飛んでいるだけです。浮いているといった方が体感的には近いかも。宇宙の大きさ自体はかなり大きいので、いくら全速力で宇宙船を走らせても本当に移動しているかどうかわからないくらいなのです。

なので「どこか別の星に行きたい」と思ったらファストトラベルするかフッドメニューから近隣の惑星をポイントし[移動]というボタンを押し続けて別惑星のセルに移動するしかなく結局手順を面倒にしたファストトラベルでしかないわけです。

つまり「ファストトラベルをしないで宇宙船を使えばいい」、というのは

1.宇宙線にのって離陸する(カットシーン、ロード画面をはさむ)

2.フッドメニューから惑星を選択してセル移動を目的の惑星まで繰り返す(上記同様

3.目的の星まで移動したら着陸地点をメニューから選択してセル移動する(上記同様

というセル移動作業ゲーをするということであり、余計にロード画面やカットシーンをはさむだけなのでファストトラベルの方がずっとましなわけです。

また、探索は惑星に主に着陸して行うのですが探索する地形の範囲は縦横数キロメートルのただの荒野や、あるいは植物や生物が徘徊しているだけのだだっ広いフィールドで、一部のユニークな場所を除くと各ロケーションのほとんどが自動生成されたもので、そのパターンもそれほど多くなく同じような建造物にも割と出くわします。

生物が存在するタイプの惑星ならまだましなのですが、月のようななにもない惑星だとただひたすら荒野を走るだけのゲームになってしまいがちで途中で鉱石を採取するなどすることはできますがそんなに必要になりませんしやっぱりすぐに飽きます。

星ごとに気候や景色、地形、鉱物や自生する動植物などのバリエーションはあるもののやはりそのパターンも少なく最初の頃こそは感動でいっぱいになるものの、何度か上陸、探索すればパターンもわかってきてしまうため「あそこに行ったら何があるんだろう」という”わくわく”感が全然ありません。ロケーションもほとんどランダム生成ですし、そこにあった歴史や文脈に思いをはせるというような遊び方も難しく、“発見に対するわくわく”要素は序盤で突きます。

多分このゲームのわくわく要素は未発見の星系や惑星そのものを探索なんじゃないかと思っていますが、ファストトラベルのみなのが痛すぎる。自分で歩いていって見つける、というベセスダゲーでは当たり前にあった感動がこのゲームにはない。宇宙船で直接移動して探せたらまた違っていたかもしれないんですけどね。

そんな感じでベセスダのオープンワールドゲームの醍醐味でもある探索が、本作においてはほぼ死んでます。ロマンを楽しめるのもほんの序盤だけで遊べば遊ぶほどこのゲームの”粗”が見えてきてしまい、遊ぶのが苦痛になってきます。

クエストで遊ぼうにもファストトラベルだらけになる

各星をただ放浪、探索するだけでは飽きてしまうので、ではストーリーを楽しもうとクエストで遊ぼうとすると何回もロード画面、カットシーンをはさむことになります。

単純なお使いクエストすら例外でないのが致命的で、「この雑誌買ってきて!」とただベンダーから買い物をするだけのクエストですら別の星までいかないといけない。で、行ってみたら本当にただベンダーが売っているだけで何のひねりもなく購入できてしまい、クエスト主に届けて、終わり。終了。何の味もしないロード画面シミュレーター型お使いクエストで、しかもこういうのが大量にあり、次から次へとわいてくるからクエストの整理がつかなくなってきます。

じゃぁ全部無視してメインクエストを進めるかとやってみても、今度はロード画面と会話の作業ゲーと化すだけ。SFなので飛び交う言葉もよくわからないですし、常に置いてきぼりを食らいます。戦闘も存在しますが、ロード画面とつまらない会話の間に挟まれてちまちまと遊ぶ形になっています。宇宙線の戦闘や建築要素など、いろんな要素を詰め込んではいるのですが、全体として細切れにコンテンツが分かれているような造りになっているせいで、宇宙の広大なスケールに対してとても窮屈で小さく、遊びにくいです。

やっぱり星間移動くらいシームレスに移動したかったですね。宇宙船で直接星を探索でもできればもっとよかった。なんのための重力ワープモードなのか。重力ワープモードにしてエンジン全開したらこう、ブワーってなって周りの風景がドラエモンの四次元ポケットみたいな感じになってめちゃくちゃ高速になって超光速度になって飛ぶ、みたいな感じでシームレスに目的の星にいけるって感じでもよかったんじゃないかと思います。

それともエンジンの問題なんでしょうかね?ベセスダゲーってセル単位で区切られているのが基本だと思うのですが、それとシームレスっていうのは技術的に難しいんでしょうかね。

その他

拠点構築などのRPG外の要素について

これはStarfieldの問題というかFo4あたりからの拠点構築などをはじめとした要素について前々から感じていた疑問みたいな話になるのですが、拠点構築はあいかわずというか独立した要素でストーリーにシナジーしてこないので全くやらなくてもいいものなんですよね。それが自由といえば自由ではあるんですがやる必要がないとなるとプレイスタイル的にはほとんどやらない、ということもありえる造りであるといえます。

つまりやらない人はとことんやらないですし、無駄な要素でもあるということでもあります。そのような点を考えても思うのですが拠点構築とストーリードライブ型のゲームってあまり相性があってないような気がします。ロケーションやNPCありきのクエストが前提というのがベセスダのRPGだと思うんですけど、それとかみ合ってはいないと思うんですよ。FO4を例にするとFo4のロケーションはそのほとんどが拠点構築可能な土地になっていたと思いますが、ユーザー自身が自由に土地を壊して作り替えていいですよ、というシステムにするということは必然的にNPCはそれらのあらゆる場所において依存ができず、それをもとにストーリーもクエストも作れない、ってことになってしまうと思うんですよね。

これ、クエストを作るチームにとっては制約になっているんじゃないかと思うんですよ。使える場所が限られていたら作れる物語だって限られるじゃないですか。となるとそれでクエストの多様性が失われて面白くなくなったとしても別におかしくはない気がします。

そこまで犠牲にしてしてでも無理やり入れて一緒にする必要ある?とおもうのですがどうなんでしょう。互いに干渉しないレベルならいいんですけど、やっぱりSkyrimのハースファイアくらいがちょうどいいんじゃないでしょうか。

で、StarfieldではというとそんなFo4の反省点を踏まえて作ってきた拠点システム、という感じで、ゲームの舞台のすべてである一つのワールドのほぼすべてのロケーションを拠点構築可としたことがよくなかったのなら、「ワールドそのものを分散(惑星単位で分散)させれば全部解決しね?」って感じで、1000以上の惑星という特大スケールのゲームになったのようなかんじなんです(想像ですが)。広大な土地、それも星丸ごとの莫大な土地が何百とあれば場所の制約もあってないようなものにできて、クエストや拠点構築に必要なロケーションもほぼ無制限だから問題解決、みたいな。

でも実態としてはSkyrimやオブリの密度にしきつめられていたものを広大に点在する惑星に振り分けて薄めてしまう結果になっていて、アクセスが悪くなって細切れの世界ができあがってしまった。今作においてベセスダは「自由に探索できるサンドボックス」というこれまでの自身の主力コンテンツをカットしてきたわけです。

点在するロケーションをひたすらファストトラベルで飛んでは何もない荒野をただ走り回っていると、ファストトラベルの仕様上ほとんど宇宙空間に移動する機会もなくなってくることも相まって惑星間というよりはいろんな無人島を瞬間移動で飛び回ってサバイバルしている感覚になってきます。

しかもクエストも作りにくそうな感じなのは変わってないと思うんですよ。例えばクエスト中発生するNPCが別のロケーションへ移動するという行為だけでもこれだけ細切れになっているといちいちセル移動しないといけないからめんどうですし、徒歩で逝こうとする場合はその周辺の地形、それも自動生成された地形たちに限定されてしまうわけで、かつてのどこかの洞窟にいって敵を倒す、といったクエストすら作成不可能になっています。

一緒にNPCと成り行きでだらだらフィールドを散策し、洞窟やダンジョンに潜って冒険する…って過去作の遊び方で楽しむのは大分難しい感じです。

ハクスラもFO4から導入されましたけど、物資が不足している世界観であんな要素付けたら台無しじゃないかと感じます。前作のFo3では拾える武器は基本的にただの銃でしかもみんな壊れかけばかりでしたし、エンクレイブみたいに物資が豊富な連中は新品をもっているなど、ロア周りの表現にも貢献している要素をつぶしてまで入れる必要は果たしてあったのか。

基本的に拾える武器はゴミってところがサバイバル要素としてもいい味出してましたし、その中で光るユニークアイテムを拾ったときは過去作ではすごくうれしかったんですけど大量のランダムドロップの中に埋もれてしまってあまり価値を感じませんでした。ユニークアイテム探索するのもベセスダゲーの醍醐味の一つでしたしね。

そうやって相性の悪いものをがんばって無理やり一緒にしようとするばかりに過去作の良かったところを犠牲にし続けている感が最近のベセスダにはあって、ひょっとしてベセスダって拠点構築を始めたとしたどっかのゲームからコピーしてきたものをパッチワークすることを何が何でもやらなきゃいけないっていう呪いか何かにかかってるんじゃないかなんて思ったりもしています。ここ10年以上にわたってずっとマインクラフトをはじめとした有名ゲームの後追いをしている感じがするというか、ただ手広くたくさん売りたいという欲が丸出しで、自分たちの良かったところは全然進化させようとしないというか…。あんたのゲームはマインクラフトじゃないじゃん、ボダランじゃないじゃん、って。

自分の持ち味を生かさずにむしろ殺してまで劣化コピーを作ることに力入れるのはよくわからない。なんで自分で積み上げてきたきたものさらに積み上げずにむしろ崩して全然違うことをしようとするのかが全く意味不明。明らかに効率悪いでしょ?

そもそも評価されてたのはRPGの部分じゃないですか。拠点構築でもハクスラでもない。そもそもなかったんだし。どのゲームでもない、「ベセスダのRPG」じゃないですか。よそのゲームはよそのゲームですよ。

そこに、なんでもっと自信をもたないんだろう。多くのゲーマーに売りたいって欲出して売れたゲームをつなぎ合わせるような変なことしなくてもファンは勝手についてきますよ。RPGが売れないと思っているなら大間違いで、Obsidian、Larian Studio、CDPRなどのRPGメーカーもそうやって多くのファンをつけてきたんですから。

それにみんなが買ってくれそうなゲームにするってことはとがってる部分を丸くしてしまうってことで、そりゃもう普通のゲームになっちゃいますよ。で、そもそもそんな包括的な開発力があるスタジオじゃないでじゃないですか。普通のゲームを作れるほどの開発力ないじゃないですか。バグだらけなのは有名ですし。

要は向いてないと思うんですよ。ベセスダがジェネリックなゲームを作るのなんて。

ベセスダはベセスダだろ?お前の信じる道を行けよ!とがり続けて頭角を突き出していけよ!

…とまぁ私個人の願望を言えばまたオブリみたいなゲームがやりたいってだけなんですけどね。10年以上たってもいまだにベセスダにはいつかはまた…と思っているくらいです。そういうファン、結構多いんじゃないかと思いますよ。

1000個の星なんて物量でごまかさないで1つの星を作りこんでほしかったです。

ベセスダさん次はTES6っすよね。このままだとよくないんじゃないですか。Fo4以来どんどん評価下がっていってますけど…今(2023年11月10日)steamの評価確認したら最近の評価の高評価5割切ってるじゃないですか。びっくりしましたよ。こんな事初めてですよね…

ていうか一旦戻りませんか?オブリビオンあたりに…拠点もハクスラもいらないので。あ、古臭いシステムは更新してね…元からあったモノを磨いてよくしてくれるだけでいいですから。変な要素足していいところを削って薄めるんじゃなくてね。ホラ、私の槍を磨け

思うんですけど、もしベセスダゲーがシームレスな世界を実現できたらかなりRPGとしてのポテンシャルは広がりそうな気がするんですけどどうなんでしょう。逆にテストが膨大になりすぎて無理、って感じにもなってしまうのかな。でも面白そうですよね。もしシームレスにすべてがつながっている世界でクエストやストーリーが動いたら…夢が広がります。素人想像なんでほんとのところはわかんないですが…まぁベセスダにはそういったRPG的なところに情熱を持ってほしいところなんですけどね。

総評:光るものはあるけれど、微妙

総合評価 5/10

面白くないわけではないけどお勧めできるわけでもない。正直にいうとちょっと退屈かも…TES6が様子見になりそうな出来。この感じをTES6にぶっこまれたらまず買わないですね…。強いて言うならロマンゲー。戦闘はまぁまぁの出来なのでゲームプレイとしては楽しめるところはあるんですが、いろいろと面倒だったり邪魔だったりする要素が多すぎて続けるのが難しい、そんなゲーム。私個人としては初めてベセスダゲーをほぼ手を付けずに未クリアで終わりそうな感じです。

今のところ、ファストトラベルシミュレーターになってしまっていること、セル事にゲーム体験が区切られかつ内容が薄く、無駄に引き延ばされたゲーム体験になっていること、膨大でパターンの少ない自動生成された世界探索が面白くないのが致命的だと思いました。

エンジンとゲームデザインの相性の不協和音という感覚。ストーリーの面白さなど長期プレイした場合の感想を判断はできませんが、それ以前にシステムの問題で継続するのが難しいという状態。せめて一つの惑星内で何十時間も彷徨いがいのあるユニークなロケーションがあるような、まぁつまりSkyrimやオブリみたいな広大な土地にたくさんのユニークロケーションみたいな惑星があったらよかったんですが、調べてみても主要な町は各惑星に分散してポツンと存在しているような造りのようですし、どうやらそんな惑星はなさそうです。

宇宙を舞台にしたことや宇宙を星系レベルで探索するというコンセプトは何度も言いますがロマンがあってすごく良いのですが、良いのと面白いのは違うというか…ただ薄く伸ばしただけじゃね…

ゲームとして面白くなきゃ意味ないじゃんって感じです。ベースだけが用最低限意されててコンテンツがないというか…未開拓なんですよ。未開発

現状、自分で探索して放浪して発見を楽しむ遊び方に重きを置く人にはあまりお勧めできない感じです。惑星に降り立てばほとんどが何もない広大なフィールドをただ走り回るだけですし、ファストトラベルがとにかくうっとうしいのであまり楽しめないかなと思います。

一方、サンドボックスとしてなら楽しめるかなと思います。Fo4と同じ感想になってしまった…広大な宇宙で惑星を自分の思うままに開拓して遊ぶという事に魅力を感じるならお勧めできると思います。それほどファストトラベルもしないでしょうしね。…とおもって色々調べたら拠点要素も色々中途半端、みたいな話もありますね。

となると残るはストーリー?ストーリーがおもしろいのかしら。それとも戦闘?でないと高評価になっている理由がよくわからないですね…ファストトラベルシミュレーターが面白いってことは多分ないと思うので。

そういえば多くの人に長く遊べるゲームを作りたい、みたいなことをベセスダは言っていたと思うんですけど、それって別にクラフトや自動生成ダンジョンと薄めたお使いクエストっていう薄めたゲーム体験っていう物量で時間をつぶせるゲームをもとめていたかっていうとそんなことはないと思うんですよね。RPGなんすよね。それもちゃんと濃いゲーム体験をもったRPG。とにかく長く遊べりゃいいってことじゃない。いろんなキャラシートで何度も「最初から」遊ぶからそういう造りこみはいらないんですよ。

バリエーションなんすよ。冒険なんすよ。RPGとしてのね。世界をあちこち好きに走り回って体験する大冒険なんよ。モアダイバーズクエスト、モアアールピージーエレメント、プリーズ?!

…と結構ぼこぼこに評価してしまいましたが、ファストトラベルの問題が仮に解決したとしたらいろいろと問題が解決してかなりポテンシャルはあるんじゃないかとも思います。となると重力ワープでこう…ブワーってやったら別の惑星にシームレスに行く感じの実装がされるまでとりあえず置いとく、なんて判断もありかもしれない、という気がしてきました。もちろんそんな実装がされる保証なんてどこにもないですけど…あるいは神MODDER様になんとかしてもらうことをまつか。あるいは今後のDLCでSkyrim並の広大な1つの惑星探索ができるものがくることを期待でもするか。

現状おすすめできることがあるとしたら「寝かせておくこと」でしょうかね。

諸問題が解決されてセールの時に買うことをおすすめ、ということにしておきます。この出来で1万はいくらなんでもたけーわ。

9/24 追記

なんてことを考えていた矢先、どうやらもうMODDERさんがそんな感じのMODを作ってしまったようです。宇宙線の速度を光速を超えた速度にすることができ、数分で隣の星まで行けます。いやすげぇなホント。ブラックホールになっちゃう

ただ現時点ではまだベータ版という感じのようで、実際遊んでみたのですがかなりマニュアル感があり、また星の近くに来たらセルを再読みこみしないといけないので、まだ完全なシームレスとはいかない感じです。

ですがやっぱりシームレスに別の星まで移動できるとやっぱり全然違いますね。宇宙船の意味も出てきますし。探索してる感はやっぱり全然違う。後は離着陸も含めて宇宙船操作でできるようになって光速航海中にランダムイベントとかもあるともう完璧!なんて感じですけど、さすがにそこまでは求めすぎですかね。というかベセスダさんそこどうにかできませんか。結構クリティカルな部分だと思うんですけど…

https://www.nexusmods.com/starfield/mods/3541

あとがき:オブリビオンの何が面白かったのかというと

終わりに。ここにFo3も含めてもいいでしょう、NVはObsidian製なので除外します(名作ですけどね)。

「オブリオブリ言うやついるけど何が面白かったん?」という疑問について私なりに書いてみます。

Starfieldのゲームプレイ動画が初めてベセスダの公式Youtubeチャンネルで公開されたとき、「こいつはひょっとしてオブリみたいなストーリーの面白いベセスダゲームがまたやれるんじゃないか?」と感じた人もそれなりにいるんじゃないかと思います。その一つが会話システムの原点回帰。

会話システムの作りはオブリ、FO3を思い起こさせるもので、このスタイルの何がいいってNPCの顔を覚えやすくて親しみがわくところなんですよね。感情もよく読み取れますし、よりイマーシブです。この点にノスタルジーと希望を感じ、昔のベセスダが戻ってきたのではないか、なんて私はちょっと思いました。

ただ、このポイントの素晴らしさはその下地である世界観やキャラクターの魅力と何よりストーリーの面白さに裏打ちされているものであったように思います。

クエストを通じてかかわる様々なNPCたちのいろんな言動や表情を通じてキャラクターに愛着がわいてどんどん好きになっていくんですよね。最初はなんてバタ臭いゲームだ、とそのビジュアルに面を食らっていたのに(オークとかほぼ〇ュレックだったし)、気づけばもうそんなことどうでもよくなってましたから。むしろそれがいいって感じで愛着がわいてしまいましたからね。

タマネギとかスティッキーとかはわかりやすい例ですけど、ほかにも暗殺ギルド幹部のルシアンとか戦士ギルドのモドリンとかの堅物なキャラにすらも豊かなパーソナリティがあって本当に魅力的なキャラクターでいっぱいでした。そういえば確認してないんですが、Starfieldって生活AIあるんでしょうか。なんかあまりそれを感じなかったもので。これもNPCたちにユニークな性格を与えて演出していた素晴らしい要素でしたね。

オブリにおいてはゲームシステムはチープで全体的にもっさりとしていて制限が多くてアクションゲームとしてみるともう今では遊んでられないくらいのアレですが、その中で色々と工夫をしてプレイヤーを楽しませようとする試みがあって、特にクエストが光っていました。

例えば盗賊クエストの最後の大泥棒の脱出で盗んだある特別な靴を履いて後者から落下することで落下死をま逃れて脱出できたり(もしくは運動を上げて高所からもダメージを受けないようにする)闇の一党クエストで閉鎖空間に閉じ込められて5人のNPCを好きな順番でばれずに殺していくという、拠点構築などのストーリーとは関係のないところでではなくクエストや冒険の中”でプレイヤーの創意工夫の余地、欲求を刺激するしかけが作られていたことがすごく重要な役割を果たしていて、ストーリーとプレイヤー側の自由度、創造性がうまいこと調和してすごく引き込まれる造りになっていたんですよね。

ちょっとしたサブクエのゴブリン退治の兄弟や、ダルマちゃん救出作戦などぽっと出脇役レベルのキャラやクエストですら魅力的なのは、彼らと少しの間でも同じ世界と目的を共有して冒険し、ドラマをプレイヤーが作っていけたからだとも思います。クエストログも「あなたは〇〇に潜入した、〇〇はこれから〇〇に行く予定らしい。〇〇のあとをつけ〇〇の秘密に迫ろう」みたいなゲームマスターの語りみたいな凝った内容でした

そんな様々なクエストの演出の部分がイマーシブで冒険しているという感覚を良く演出してくれた上に、それをさらに彩る様々な派閥に様々な文化、そして価値観、バックストーリーを持ったNPCが存在し、いいやつもいればクソみたいなやつもいたりあたおかだったりいろんなやつがいて、そんな彩緑の連中が寄り集まってストーリーが作成されていてファンタスティックな世界が構築されていたわけです。

オブリのクエストってちょっとオムニバスな短編小説っぽい面白さがあるんですよね。複数のライターさんが書いてるんじゃない?って感じで。会話の選択肢は多くないどころから少なかったくらいなんですが、それが気にならないくらいにダイバースな世界がオブリビオン、シロディールでしたね。やたらといろんな意味でキャラクターが濃く、アルゴニアンメイドだのオブリ三大美人だの、いろいろと印象に残るウッドエルフ達だのゴシャァ だのネタにも事欠きません。ウィッチャー3のショック療法みたいなクエストというか、製作者がクエストで遊んでる感すらあってそこに愛情を感じることもありましたね。

しかしそのセンスがSkyrimあたりからどこかにいってしまって、すっかり淡泊になってしまったように感じます。Skyrimはシステムが洗練されグラフィックや地形、景観などは雪国であることを差し置いても地域ごとに差別化されよく作りこまれており美しい世界を構築してはいたのですが、クエストログの簡略化やステータスの廃止(スキルポイントと体力、マジカ、スタミナのみ)、そして何より線型的で盛り上がりに欠けるストーリー、ただ〇〇にいって〇〇を倒してこい、手に入れてこいというだけの線型的なクエスト、ほとんどのNPCが起伏がなく平均的な人格で面白みに欠けるなど、ストーリーを筆頭にRPG要素が縮小されてしまい、それはFo4と新作をリリースする事ごとに単純化され、代わりにアクションや建築などのマイクラ的な要素を売りにして、おまけみたいな感じになっていきました。

「ベセスダゲーはMODありきのゲーム」なんて言われてますけどその血色はオブリとSkyrimでも全然違うというか、まずMODの前提としてオブリはクエストは面白いんだけどシステムがクソっていう感じだったと思うんですよね。ほかにもグラフィックとかキャラクターモデルとかモーションとか、そういったアズセット周りです。

なのでそういったシステム面の向上MODを入れて「よーしもう一回最初から遊ぶか!」クエストをまた遊ぶんですよ。キャラクタービルドも多様でしたし、いろんななりきりプレイもできてRPGとして遊べる要素も幅もたくさんあったのでいろんな周回プレイができて楽しかったですね。魔法を自分で作れる機能はなんで続投してくれなかったのか、というくらい遊べてロールプレイ要素にも一役買ってました。

主人公の素性がクヴァッチの英雄っていう”薄さ”っていうのもよかったです。ほとんど一般人なんですよね。メインクエストすら実際的な主人公はマーチンで自分は一緒に旅してきた良き友人という立ち位置でしたし。何者にでもない分何者にでもなれる自由度があった。根無し草的なプレイが自由度を高めてましたね。

Skyrimはというとシステム面がきれいになったもののクエストがアレになったのか、MODを入れてももう一度最初からクエストを…というよりはさらにシステム面を突き詰めてアクションゲームとして遊ぶとか、キャラメイクで顔作りまくってSSとりまくったりとか、MOD動作確認ゲーとして遊ぶか、そんな感じでした。

クエストなどはやらずただあてもなく放浪して遊ぶ一種のシミュレーションゲーみたいな遊び方ですね。とはいえSkyrimはダンジョン内でクエストが始まるもの多く、探索してだらだら遊ぶやり方ともマッチしていてそのあたりは遊びやすかったように思います。3Dモデルやモーションなどのベースゲームの出来自体はオブリからは比べ物にならないくらい進化したのでMODの下地としてのポテンシャルはすさまじく未だに新しいMODが開発され続けてるんですよね。特に顔作りがはかどってはかどってしゃーない(Skyblivionめっちゃ楽しみですね!)

なので遊んだ時間はSkyrimが一番ダントツで長いのですが、「これでクエストもおもしろかったらな…」なんて思ってしまったりすることも。このシステムでオブリやれたら…と。ドラゴンボーンという素性がちょっと重いのも遊びににくいところだったり。マーチンみたいな別NPCがドラゴンボーンだったらなぁ。やっぱ主人公はただの囚人よ。名無しの権瓶よ!

Skybilionまちどうしくてたまらんな!

とまぁ、いろいろと印象深く、もうほぼほぼ信仰、伝説なわけです。それをもう一度だけでもいいから味わいたい!そういう願望がいまだにあるファンはいるんじゃないかな。オブリファンが求めているのは拠点構築や大量のお使いクエストという物量ではなく、多種多様な冒険が楽しめるRPGのオムニバスななんじゃないかと思っています。

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追加で、全く関係のない余談ですがRPGつながりで、Baldur’s Gate 3がヤバイです。ほんとよく作ったなこんなのって感じです。これで主人公の顔もパーツ単位でいじれたらオブリ以来の神ゲーだったなとすら個人的には思っています。

やった人はわかると思うんですがLarian Studio、というか代表のSwen Vincke氏が生涯の中でどうしてもこれが作りたくて作った感、自分もこれで遊びたいから作った感のあるすげーパッションを感じるゲームですよねコレ。RPGゲーマーとしてもまさに「これだよこれこれ!こういうのがずっとやりたかったんだよ!」って感じのゲームです。

今どきどこも金金金とそればっかり頭にしか浮かんでなさそうな開発会社の中で、この人たちから感じるのは純粋なクリエイティブ魂でしたね。今どき流行りそうもないターン性のアイソメトリック視点のゲームに、よくもここまでありったけの労力とパッションを詰め込んだもんだと。Swen氏も「なんでこんなに売れてるのかわからん」なんていっていましたよね。思えば私はアーリーアクセスの頃からこのゲームとその背後にある彼らの開発秘話やイベントをずっと追いかけてたんですけど、すげーみんな楽しそうな顔してましたね。すげー幸せそうでしたよ。何かを作るってこういう事なんだなぁって思いましたね。

ものつくりっていうのは多分、主体性が大事なんだと思います。自分が欲しいと思うものを作れるかどうか。そういうマインドがあるかどうか。自分がやりたくもないものを作っても、じゃぁだれがやるのって話。情熱もみんなその前提にあるのは自分が欲しいと思う当事者間のある欲求なんだと思いますね。売れるかどうかで作っても出来上がるゲームって詰まんないんだと思いますね。他人事みたいないい加減なゲームになってしまうんじゃないかな。

…思えばウィッチャーといいディヴィニティといいディスコエリジウムといいなんでベセスダ以外のデベロッパーでベセスダに求めていたようなものがポンポンでるのか、うれしいやらかなしいやらですが…その記事はまた後日書こうと思います。



自己紹介

Name : Elepan

元うつ病患者 (闘病歴10年)

約10年間うつ病でしたが、多くの自分の歪んだ思い込みに気づきそれを捨てることで独学で立ち直りました。その「気づき」の記事を本ブログにて日々更新中です。
一人でも誰かの役に立つ情報になりますように… その他にも遊んだゲームの情報、世の中のことで疑問に思うことなどなどについて考えたことを色々まとめています。

 

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