今回は聴いて勇気をもらえる音楽の紹介、その第二弾、Foo Fightersのファンの人なら多分この曲を知らない人なんていない、それくらい有名な曲「The Pretender」です。
Pretenderとはフリをする(pretend) + 人(er)、つまりフリをする人ですね。自分ではない何かを演じている人みたいなイメージでしょうか。
この曲の歌詞って多分聞き手によってかなり解釈が分かれそうな感じで、例えば強大な何かに向かって立ち向かっていく自分だったり、権力に屈しない心のあり様だったり、とにかく自分を鼓舞して前に進もうとする、そんな人を鼓舞してくれる勇気溢れる曲です。
目次
「お前は誰だ?」
そんな私はどんな解釈をしていたのかというと、それは「自問自答」でした。自分自身との戦いですね。自分自身の弱さや脆さ、自分を不幸にしているいろんな思い込み、認知の歪みたちとの戦い。自分にいろんな嘘をついて自分を殺し続けてきた自分にとって突き刺さったというか、ここまで音楽で感情を揺さぶられたのははじめてかもしれません。
認知の歪みをこじらせ続けたことで自らの心に生まれた大量に巣くう様々な敵たちに何度も立ち向かっていくかのようなそんな光景が思い浮かんできて、これまでの認知の歪みの修正の取り組みの姿勢を歌い上げてくれているかのようなそんな曲でしたね。
まぁつまり「めっちゃくちゃ感動した」ということなんです。というわけで以下曲のリンクと歌詞と私の意訳をどうぞ!
The Pretender
Keep you in the dark, you know they all pretend
ずっとフリをしてることを隠してればいいさ
Keep you in the dark and so it all began
隠し続けて、そうやって始まったんだ
Send in your skeletons
そうやって自分を殺し続けてればいい
Sing as their bones go marching in again
それを本当の自分だと吹聴していればな
They need you buried deep
本当のお前を底なしに埋めておきたくてしょうがないようだが
The secrets that you keep are at the ready
もういい加減隠しきれなくなってきたんだからな
Are you ready?
わかってんだろう?
I’m finished making sense
つじつま合わせなんてもう終わりだ
Done pleading ignorance, that whole defense
知らなかったといいわけするのも、これまでずっと自分を守ってきたことも
Spinning infinity, boy
そんなことをしていても終わらない
The wheel is spinning me
おなじところをぐるぐる回っているだけ
It’s never ending, never ending
永遠に終わりゃしないんだ
Same old story
もういい加減うんざりなんだよ
What if I say I’m not like the others?
もし俺がほかのやつらと違うといったら?
What if I say I’m not just another one of your plays?
もし俺がお前の思い通りにはならないといったら?
You’re the pretender
お前はただフリをしているだけなんだろ
What if I say I will never surrender?
もし俺があきらめないといったら?
What if I say I’m not like the others?
もし俺がほかのやつらと違うといったら?
What if I say I’m not just another one of your plays?
もし俺がお前の思い通りにはならないといったら?
You’re the pretender
お前はフリをしているだけだ
What if I say that I’ll never surrender?
もし俺があきらめないといったら?
In time or so I’m told
いつか俺は思い知ることになる
I’m just another soul for sale, oh well
自分は魂を売っちまった奴だって
The page is out of print
もう残されたページも少ない
We are not permanent, we’re temporary, temporary
俺たちは永遠じゃないんだ。いつかは死ぬ。死ぬことは決まってるんだよ
Same old story
そんなこともうわかってるのによ
What if I say I’m not like the others?
もし俺がほかのやつらと違うといったら?
What if I say I’m not just another one of your plays?
もし俺がお前の思い通りにはならないといったら?
You’re the pretender
お前はただフリをしてるだけなんだろ
What if I say I will never surrender?
もし俺があきらめないといったら?
What if I say I’m not like the others?
もし俺がほかのやつらと違うといったら?
What if I say I’m not just another one of your plays?
もし俺がお前の思い通りにはならないといったら?
You’re the pretender
ただのみせかけなんだろ
What if I say I will never surrender?
もし俺があきらめないといったら?
I’m the voice inside your head You refuse to hear
俺はお前の頭の中にいる、お前がずっと聞こえないふりをしてきた声だ
I’m the face that you have to face
俺はお前が向き合うことになるツラで
Mirroring your stare
お前の鏡面なんだよ
I’m what’s left, I’m what’s right
俺はお前の思う正しさで、間違いでもある。
I’m the enemy
他人じゃない。俺こそ、お前自身こそが真の敵なんだ
I’m the hand that’ll take you down Bring you to your knees
だから何度でもお前を屈服し、跪かせてやる。
So who are you?
さぁお前は誰だ?
Yeah, who are you?
お前は誰なんだよ?
Yeah, who are you?
あぁ、誰なんだ?
Yeah, who are you?
一体お前は誰なんだよ?
Keep you in the dark You know they all pretend
そうやってフリしてる自分に逃げてればいいのさ
What if I say I’m not like the others?
もし俺がほかのやつらと違うといったら?
What if I say I’m not just another one of your plays?
もし俺がお前の思い通りにはならないといったら?
You’re the pretender
どうせ本気じゃないんだろ
What if I say I will never surrender?
もし俺があきらめないといったら?
What if I say I’m not like the others?
もし俺がほかのやつらと違うといったら?
What if I say I’m not just another one of your plays?
もし俺がお前の都合のいいコマじゃないといったら?
You’re the pretender
ただのフリなんだろ
What if I say I will never surrender?
もし俺がほかのやつらと違うといったら?
弱い自分自身とのガチンコバトル(脳内)
私の思うこの曲の歌詞の登場人物って基本的に一人なんですけど、その一人の中に二人の人格がいる感じでした。その二人がその脳内で激しく戦いあっているというか、せめぎあっている感じなんですよね。
黒色と赤色の文字色で人格をそれぞれ分けているんですけど伝わりますかね?赤色の自分を見下し屈服してくるそんな弱さの元凶、恐怖の塊みたいな自分がいろんな姿でいろんなときに表れて、何度も何度も自分に現実を見せつけてきては自分を屈服してくる。1対1というよりは1対多みたいな感じでもあり、そんな自分と様々な恐怖達の闘いが浮かんでくるかのようでした。特に最後のコーラスとメインの重なりはその激しい攻防みたいな感じでまさにラストスパート、って感じでした。
何度も「もしあきらめないといったら」、「もしお前の都合のいいようにはならないといったら」とやつらにぶつけるわけですが、言うだけなんですよね。
フリだけ。本気じゃない。ポーズをしてまた降参しようとしている。まだどこかで過去の生き方をしている自分に未練が残っている。もしこれで誰かに認められたら、何かで本当に優れた何かになれたら…事あるごとにそんな自分のある心理をみすかされたかのように、ある日自分のある行動に、心に、「お前はただ変わったフリをしてるだけだ」と刺され、そんな現実を見せられて屈服される。
だって怖いんだもん。フリをやめるのが。フリをしなくなったら本当に自分は何もなくなってしまうことが。それを認めることが怖かったんですよね。
わかったフリ、知っているフリ、かっこいいフリ、優しいフリ、いい子のフリ、出来るフリ、被害者のフリ、不幸なフリ、弱いフリ…
そんないろんなフリをしてきて、自分だけは周りと違うんだ、ひどい目に合ってきたんだ、だから認めてよ!と必死に他人に許されようとしたり気を引こうとしてきた。そんなことだから、例えそんな自分をやめようとしてもそのやめようとする行為自体がフリになってしまう。フリを止めた自分を他人がどう見るのかを意識していて、フリをやめるフリになってしまうわけです。
思えば本当に言い訳ばかりでしたからね。他人のことを分かったつもりになって正義を気取ったり裁こうとしたりもしてきました。他人の気持ちを理解したつもりになって、勝手に他人を導いているつもりになっていた。実際にやっていたのはただの押し付けで救世主気取り、mシアコンプレックス。私は私のことを変えることしかできないのに、他人のことを変えられるだなんてことを本気で思い込んでいました。
他にも「人はこういうものだ、誰しもこういうものだから仕方がない」「それが普通なんだから、人間なんだから」「いじめのトラウマ、家族が最悪だったから」と、結局はただの自分の癖や思い込みにすぎないものを必死に正当化しようとしてきましたね。
嘘と言い訳とフリのオンパレード、偽物だらけだった「The Pretender」の私の人生は、そうやって何度も何度も他人に好かれるため嫌われないために自分を偽り、何かや誰かのせいにしたりして許されるために屈し続け、自分を欺き続け、裏切り続けてきた。自分の人生から逃げ、他人に自分の人生を決めてもらって面倒を見てもらうために。それが自分の人生なんだと思い込もうとしてきた、そんな人生の甘えのツケそのものだったわけです。
そんな過去の自分と変わろうとしている自分が決闘をしている。弱い自分と変わろうとしている自分の綱引き。
“本当にいいのか?変わっちまって。もう誰にも愛されなくていいのか?”
いいんだよ もう苦しみたくないんだよ
“でもそれで後悔しないか?人生棒に振るかもしれないじゃないか”
そんなのやってみなきゃわからないだろ
“また綺麗事を。強がってるだけなんだろ”
そんなことない!!
“今までずっと自分自身が嫌いだったくせに、今更好きになれるのかよ?”
なれるよいつかは…
“そもそも、お前は一体何なんだよ?何が好きなんだよ?自分はどこにいるんだ?あ?”
…
──
自分は、誰?何?
一体どこにいるの?今自分が立っているところはどこ?
何で生きているんだ?なんのために?生きていて意味なんてないなら、何のために…いや、そもそも何でこんなこと考えてるんだ?こんなことを考えて俺は楽しいのか?俺はどんなことが楽しかったんだ?どんなことが嫌なことだったんだろう?そう思ったのはなぜ?いつから?
…と、そんな自問自答と自戒と自分の心の自由を求めることを何年もずっと繰り返していましたからね。
今となってはそれももういい思い出というか、むしろこれを聴いてるとどんどん勇気が湧いてくるんですよね。初めて聞いた時は鳥肌が立ちっぱなしで、興奮してるんだか泣きたいんだかうれしいんだか、いろんな感情がこみあげてきて、とにかく猛烈に叫びたくなるような、そんな衝動にかられましたね。
今やKnights Of Cydoniaとセットで、通勤時には必ず聴く音楽になりました。
ひょっとしたら今後もどこかでまた弱い自分とはきっとどこかで向き合うことになるかもしれません。でもその時はまた自分に何度も言ってるやる。
他人や社会の都合からはいくらだって逃げていい。
でも自分からだけは絶対逃げない。自分から逃げたら、それは自分の自由から逃げることだから。
そう決めたことをそのたびにこれを思い出して、決してあきらめずに前を向いて生きていこうと改めて思いました。
いやはや、名曲でした!こんな素晴らしい曲を生み出してくれた彼らには感謝しかありません。
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